​現在、READYFORにてクラウドファンディング実施中のため、活動報告を転載させていただきます。

日本テレビ「天才!志村どうぶつ園」の、相葉君トリミング企画でトリミングしてもらった保護犬ソルテ。

もう5年前の話で、長くなるのですが、良い面も悪い面もふくめ、高齢者と暮らしていた犬がどういう運命を辿ったのかを知っていただきたく、お話しさせていただきます。

マルチーズの保護犬ソルテ

劣悪な環境から保護され
相葉君にトリミングされたソルテ

マルチーズのソルテは、高齢者の元で、もう一頭のトイプードルと暮らしていましたが、飼い主が長期の入院生活となり、親族が面倒を見ることに。

しかし、親族は犬が苦手なため、ごはんを置いていくだけで、あとはサークルに閉じ込めた状態で生活することになったようです。

その後、飼い主が戻ってこられないことが確実な状態となり、親族からの依頼で保護しに行きましたが、自分のこともままならない状態だったと思うくらい、部屋も大変荒れていました。

2頭の犬も生きてくれていたことが奇跡のような状態でした

かなり長期間だったのでしょう。2頭が入るサークルもとても汚れていました

病気の治療も出来ず、おそらく数年間トリミングもされていなかったようです。
ふたりとも触ると大変痩せていました。

テレビでもソルテの様子をご覧になった方もいらっしゃるかも知れませんが、毛は伸びて汚れで固まりたくさんの毛玉ができ、目やにもひどい状態でした。爪も伸び放題。

ソルテの方を相葉さんにトリミングしていただきましたが、相葉さんは最初から最後までお一人で全部やられるため、朝一に来て、かかった時間は6時間以上

本来はその日、番組の収録があった日ですが、「収録に遅れるかもしれないけど、最後までやりきりたい」と直接、志村けんさんに電話されて、最後までソルテを綺麗にしようとしていかれました。感謝しかありません。

トリミングしてもらった後のソルテ

高齢者が面倒をみられなくなると
飼い犬の生命が危険にさらされる

しかし、過酷な生活は2頭の体をボロボロにしました

もう一頭のトイプードルは、伸びた毛が口の中に入り込み、さらにホコリなどの汚れがからまり、呼吸もうまくできず、ゴハンもうまく食べられないような状態でした。

トリミングで口の中の異物を取り除き、すぐにごはんを食べてもらいました

しかし、その期間が長かった影響か、重度の栄養失調で、残念ながら保護後、一週間も経たずに虹の橋を渡ってしまいました

お腹いっぱい食べられますようにと願いをこめてオヤツと一緒に

あまりにあっという間で、名前を決める間もなく、僕たちの元でいっぱい幸せにしてあげよう!とする前にお別れとなったことから、せめてお空で幸せになってほしいと願いをこめて、名前を「幸(こう)」としました。

ソルテの方は、幸のように口の中に異物があるというようなことがなかったものの、病院で検診すると、気管支炎、さらに心臓疾患もありました

おそらく、高齢の飼い主の健康状態が悪く、親族が病院にも連れて行かなかったため放置されていたのでしょう。

しかも推定年齢は10歳の高齢犬。


最近は10歳でも元気なワンちゃんがたくさんいますが、ソルテの場合、飼い主にずっと健康管理されてきた10歳ではありません。もう一頭の子が天国に行くくらいの環境にいた子です。

正直あとどれくらい生きられるかわからず、おそらくずっと治療が必要な状態。

いくら高齢犬と高齢者をマッチングさせる【シニアドッグ・サポーター制度】といっても、この状態ではいつかは譲渡、と考えることもありませんでした。

どれくらい生きられるかわからない
それでも力になりたい

このソルテの里親になってくださったのが、以前の活動報告でお母さんのためにと【シニアドッグ・サポーター制度】を使ってアロハを迎え入れてくださった、PuPu cafeの里親さんの娘さんです。

ソルテはこのような健康状態ですから、施設で終生飼養することも考えていました。

しかし、

「高齢だから、病気だからで里親に行けないのはおかしい。だからこそ救ってあげたい」

と。

里親さんはまだ若いのですが、自身もガンの闘病経験があり、生命の大切さ、尊さをよくわかっている方で、これだけ大変だったソルテだからこそ、幸せにしたいんだ、という強い想いを感じました。

ソルテには、残りの人生を最期まで、愛情いっぱいで満たされた状態で過ごしてほしい

この里親さんの元であれば、お母さんのところに行ったアロハと一緒に、ワンちゃんが幸せに過ごせるカフェでみんなに愛されて暮らすこともできるし、木々に囲まれたきれいな空気の中で生活することも出来ます。

ソルテのことをお願いすることにしました。

お出かけ用のベッドを買ってもらったソルテ(里親さんのInstagramより)

疾患のある保護犬を
迎えるということ

ソルテは、行ったそばから咳が止まらないような状況が続いておりましたが、奇跡的に回復し、PuPu cafeで元気な姿をみんなに見せるようになりました。

里親さんのInstagramでは、元気に散歩してる姿や、愛されている姿が頻繁にあげられていました。

PuPu cafeの広い庭を走るソルテ(里親さんのInstagramより)
お姉さんからプレゼントされたというお揃いの服を着て(里親さんのInstagramより)
上からお母さんのアロハ、下がソルテ、右がお姉さんのわたあめ、いずれも元保護犬

しかし、その時間はあっという間に終わり、ソルテの体調が悪化。

原因不明の血便が続き、病院通いの日々が始まりました。

向き合ってくれたのが、DOG DUCAのかかりつけ医の「もりやま犬と猫の病院」。

しかし、そこまで片道30分以上かけて行かなければなりません。

「ソルテのため」だけに、里親さんは、50日以上病院に通いました。

盲腸に腫瘍が見つかり、手術をしました。DOG DUCAの子たちが輸血しにも行きました

ソルテは本来なら僕たちの元で終生飼養するはずでしたが、治療等もしっかりとしてくださり頭が下がります。

また、費用面の負担も大きかったと思います。

一般のペットであればペット保険に入れますが、ソルテのように重大な疾患がある子は保険に入れないのですべて実費です。本来はDOG DUCAが面倒みる子だったので割引はしてもらっていますが、それでも50万円以上かかったそうです。

最近は、ペットショップの売れ残りや、先天性疾患のある子を「保護犬」と称して格安で販売、もしくは無料譲渡するところもあるようですが、疾患のある子の医療費の負担は想像以上に大きな負担となります。

ひとつの生命を救うということは、もの凄く大変なことなのです。

これまで不幸だった子だから
最期のときまで愛情を注ぎたい

それでも、ソルテの里親さんは、病院に行くこと、費用の負担をおくびにも出しませんでした。

そればかりか、

「治療をすることは人間のエゴなのではないのか」

ということを気にされていました。

人間と暮らしていなければ、病気になってもそのまま死を待つだけ。それが自然の摂理と言えば摂理です。

僕たちも何頭もの子とお別れしていますが、いつも

「治療はその子のためになるのか? 苦しい想いをさせてるだけなんじゃないか?」

と悩む瞬間があります。

それでも、これまで人間の都合で不幸な環境にいた子たちです。

だからこそ、僕たちにできるだけのこと、その子のためになりそうなことはしてあげたい。

そう思える方と出逢えてソルテは幸せだと思います

ソルテは、盲腸に腫瘍が見つかり、一時かなり危険な状態になりました。
貧血もひどく、うちのエアデールのレイリーとソフィアも輸血しに病院に行きました。

里親さんも毎日面会に。

しかし、病院でさみしい想いをしているソルテのことを考えて、一時退院することにしたら、とても元気な姿を見せてくれるようになりました。

抱っこされて嬉しいのでしょうか、体調も悪いのに考えられないくらい笑顔です

送られて来た動画を見たとき、スタッフ一同涙したことを今でも思い出します。

重度の貧血となり、歩くのもふらつきますが、それでもお庭を散歩しました(里親さんのInstagramより)
そばにいると安心するのでしょう(里親さんのInstagramより)

ソルテは誕生日もわからない子でしたので、トリミングしていただいた相葉さんにちなんで、12月24日を誕生日としたそうですが、誕生日のお祝いを、自宅で里親さんと一緒にすることもできました。

ソルテがきっと、そこまでは頑張ろうと思っていたのでしょう。

それから一週間も経たない12月30日。

幸とソルテを保護したその年に、ソルテも虹の橋を渡りました。

最期の最期まで里親さんから精一杯の愛情をもらえたことだけが、唯一の慰みです。

見返りなく注ぐ愛がある。
でもそれは特別なこと

高齢者と暮らしていたワンちゃんは、たいていが高齢犬であることが多く、そして元はペットショップで購入した子犬です。

購入したときは自分が元気だったとしても、今のワンちゃんはフードや医療の進化、室内飼いなどの影響もあり、10年以上生きるのが当たり前になってきました。

僕は、自分がさみしくて愛犬デュッカを迎え入れ、生きる希望をもらいました。

デュカがいたからこそ、今、多くの犬たちを救う仕事をしています。

だから僕は、高齢者の方に

「さみしいからと言って犬を飼うな」

とは言いません。言えません。

それでも、

自身に万が一のことがあったときに不幸になるのは、他ならぬ愛犬です。

本当に大切な愛犬だとしても、他の人が同じように愛を持って面倒みてくれるとは限りません。

幸とソルテは、飼い主が面倒を見られなくなったときに、他の方にもらわれていれば、今も生きていたかもしれません。

でも、社会的に、それが簡単ではないのが現実です。

どれだけ継続飼育ができないような飼い主であっても、ほとんどの動物愛護センターは引き取りをせず、しても「殺処分します」と言ってしまうこともあります。

「殺処分ゼロ」のため、「終生飼養」の義務のためです。

だからといって、ボランティアで活動している保護団体を頼っても、高齢犬、持病のある犬は譲渡が難しく、終生飼養する可能性が高いので、引き取ると手を上げる所は少ないのが現実です。

そういった現実がある上で、幸やソルテのような子がいたということも知ってほしい。

彼らの幸せを考えてくれる、愛情深い方に託せるのがもちろん理想ですが、託せなければ彼らを不幸にする事もある、ということも知ってほしいです。

それは、いざそういう時になってからじゃ、遅いのです。

自分がさみしいから飼う、それで終わり。ではダメだということです。

シニアドッグ・サポーター制度で里親さんになっていただく高齢者の方は皆一様に、「これまで愛犬にもらった恩を返すために、仲間であるワンちゃんに愛情を注ぐ」と言います。

僕たちはそのお手伝いをしていますが、すべての子にできるわけではありません。

だからこそ、日本全国に、こういう取り組みが広がるとともに、社会として高齢者と暮らしている動物たちのことをもっと考えてほしい。

みんなで支えられる社会になってほしいと思います。

※本記事は転載です。
現在、2025/9/26までREADYFORにてクラウドファンディングを実施中です。
目標達成に向け、ご支援よろしくお願いいたします。