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名古屋で犬の保護活動をしている、NPO法人 DOG DUCA(ドッグデュッカ) 代表でドッグトレーナーの髙橋 忍と申します。

2001年、飲食店の経営に失敗し、ミニチュアダックスの愛犬のデュッカと「ずっと一緒にいたい!」と、犬の業界に入り、駆け出しのトレーナーだった頃から保護活動を始め、「人と犬のより良い共存」のためにと走り続け、気がつけば20年が経ちました。

体罰を受けていた飼い主から保護した子犬のダックス「祭」が最初の保護犬でした(2019年没)

最初はドッグトレーニングとトリミングの仕事の合間にやっていた保護活動ですが、名古屋市動物愛護センターに直談判して犬を引き出すようになり、2010年に名古屋市が「譲渡ボランティア」制度を作ったことに合わせてNPO法人化。

それ以来、ドッグトレーニング、わんわん保育園、トリミング等の収益をNPOの保護活動に回す形で保護活動を続けてきましたが、近年は、高齢の保護犬が増えたり、譲渡しづらい病気の犬、社会性がなくトレーニングに時間がかかる犬など、長い間ここで暮らす保護犬が増え、様々な人の寄付やご支援をいただくことで、なんとか活動を続けてきました。

DOG DUCAの事業体制
目標 “だった”「殺処分ゼロ」

僕が保護活動を始めた頃、ほうぼうで「殺処分ゼロにする!」と言っていたのですが、周りの人は「そんなの絶対ムリ」と言っていました。実際、当時は、約21万7千頭もの犬が殺処分されていたからです。

2015年に、人を咬んだドーベルマンの保護を決めたことで行政が本気になり、翌2016年には名古屋市で「殺処分ゼロ」が達成し、2019年にはついに「殺処分機」が撤去されました。

ドーベルマンの保護犬ヒカル
咬傷事件を起こしたドーベルマンヒカルの生命が救われたことで、殺処分ゼロが実現

僕が20年前に保護を始めた時、業界の人たちに「絶対ムリ」と言われていた「殺処分ゼロ」が、多くの関係者の力で実現したのです。

そして今や、多くの自治体・愛護センターが「殺処分ゼロ」を目標にするようになりました。

多くの愛護団体の活躍で、2019年度には、犬の殺処分は5,635頭にまで減りました。

しかし、僕たちの活動は止まっていません

なぜなら、

「犬を捨てる人」がいるのは変わらないからです。
「不幸になる犬」がいなくならないからです。

今では全国から、DOG DUCAに不幸な犬がやってきます。

愛情を受けていないことがすぐにわかるよう状態なのに、数字上の「殺処分ゼロ」のために各地の動物愛護センターが引き取りを拒否した犬が、全国からDOG DUCAにやってくるのです。

愛情をかけられなかった保護犬
愛情をかけられなかった保護犬は、毛の状態もひどいがそれ以上にひどい病気を抱えていることがほとんど。飼い主には「死んでもいい」存在だったといえる

「殺処分ゼロ」のその先へ

今、「保護」というのがある種のブームになっています。

それを顕著に表しているのが、ペットショップの売れ残りや自家繁殖工場(ブリーダー)の引退犬を「保護犬」と称して、有償譲渡する、自称保護団体が現れたことです。

とにかく「生命さえ助かればいい」「殺処分にならなければいい」

しかしそれはとても「愛護」とは言えません。

真に「動物愛護」と考えるのであれば、そのワンちゃんならワンちゃんたちが、「生まれてきてよかった!」と思えるように、愛情を持って接し、最後まで愛情を感じながら暮らすことではないのでしょうか?

そこでDOG DUCAでは、

保護した子をみんなで幸せにする仕組み「保護犬ライフサポーター」を作りました。

保護犬ライフポーター

ただ、

「殺処分がゼロになればいい」
「生命が救えればいい」

だけじゃなく、

「生きててよかった!」

と思ってもらえるように。

「殺処分ゼロ」のその先へ

 

そんな想いから、DOG DUCAでは、色々な取り組みをしています。

それもこれも、保護犬たちが、愛情を持った家庭で暮らす普通のワンちゃんと同じように、

「生きててよかった!」と思えるために。