少し前ですが、飼育経験のある高齢者が、高齢犬の里親になる、DOG DUCAが考えた『シニアドッグ・サポーター制度』の取材を受けました!

今回は新聞などに記事を提供する「共同通信社」ということで、全国の各メディアに掲載されることになりました。

海外では、「シニア・フォー・シニアーズ」と呼ばれる、高齢者に高齢犬を譲渡する取り組みがありますが、日本ではそういったことがほぼなく、むしろ、愛護団体が高齢者への保護犬譲渡を断るのが「常識」。どれだけ高齢者に飼育経験があろうと、高齢者が元気だろうと、単身の高齢者への譲渡なんて電話で年齢を話した瞬間に断られるとか・・・そんな中で、『シニアドッグ・サポーター』が風穴を開けた取り組みということで紹介されたのです!!

高齢者だからこそできることもあるし、何より、犬も人もお互い支え合って生きることがベストなんだから、高齢者を必要とする犬だっている!・・・それをわかってくれる人がいることが嬉しい!

ひとまず、この地方で行くと、中部経済新聞さんの11月26日付けに写真付きで掲載されています!

中部経済新聞19年11月26日(他にも伊勢新聞、山陽新聞、産経新聞福井版などが確認できています)

新聞で紹介されているのは、シニアドッグ・サポーター3例目の、ミニチュア・ピンシャーのエイト。

エイトは、2018年の10月24日(1年1ヶ月前)に保護した子です。

エイトを飼っていた親御さんが亡くなったということで、息子さん夫婦が連れて来たのですが、これまでエイトと接したことが全然ないようで、エイトが夫婦の方をまったく見ていないのが印象的でした。

そんな息子夫婦だったので、保護するときも、病気があるとかそういったことは何も言わずに電話で「保護してほしい」と言ってきましたが、誰でもパッと見て「白内障」とわかるくらい白濁していました。そのことを指摘すると、思い出したように「そういえば病院でも、『目が見えてない可能性がある』と言われた……」と。絶対わかっていたけど、言ったら保護してもらえない可能性があるから言わなかったのでしょう!

病気がある高齢犬は保護してもらえないことが多いためです。実際にそうやって断られたこともあるのかもしれません。

でも、ここではそんな人はしょっちゅうですので、一々それをとがめたりすることはありません。それよりも、それだけ犬に対して愛情がない、責任を持ちたくないという人と一緒にいるよりも、この子が、ここにいて「生きててよかった!」と思ってもらえるようにするだけです。

エイトは九歳で白内障も患っているため、ここで終生保護することにしました。

そしてちょうど一年経った時に、DOG DUCAでは、高齢者と高齢犬がお互い支え合って生きていけるようにする譲渡制度『シニアドッグ・サポーター』を始め、その紹介記事(こちらは中日新聞)を読んだ高齢者の方が、保護犬の力になりたい!と来て下さったのです。

最初、エイトはここで終生保護するつもりでした。でも、「ペットショップで買うのはできない!」「保護犬のために残りの人生頑張りたい!」と言ってくださる方であればと、エイトをお願いすることにしました。

エイトは穏やかな性格で、子どもがいるようなワチャワチャしたところよりも、穏やかな生活ができる家庭で生活するのが一番の幸せというタイプでしたから、里親さんはまさにピッタリ!な方で、白内障があっても気にせずに、最後まで面倒を見るという強い気持ちを持っている方でしたので、こちらも安心してエイトをお願いすることにしました。

高齢者が万一のことがあっても、シニアドッグ・サポーターなら、DOG DUCAがサポートできますし、飼い主さんにも保護犬の情報も含めた、DOG DUCAにもつながる緊急連絡先カードを渡していますので安心。もっとも、犬を飼うことで高齢者の方が元気になって長生きすることの方が圧倒的に多いのですが!

こんな取り組みが日本中に広まればいいなと思います。

ふたりとも幸せに!!