NPO法人 DOG DUCAの活動実績をまとめております。
直近の活動状況は、ブログの方をご覧くださいませ。

最新の活動実績(2018年)

昨年度(2018年1月1日~12月31日)の実績報告の概要です。

保護・譲渡実績

2018年は計86頭の犬を保護しました。
内、10頭は名古屋市動物愛護センターから、残り76頭は直接引き取り、20頭は多頭飼育崩壊によるもので、譲渡できたものは58頭でした(前年度の繰り越し含める)。
残りはDOG DUCAでの終生飼養もしくは、健康回復やリハビリトレーニングのため譲渡できず継続的に保護しています。

保護・譲渡実績2018

特に多頭飼育崩壊の案件は、里親さんとのよい出逢いもありましたが、健康状態の回復に時間がかかったり、近親交配のため先天性の疾患を抱えており、譲渡に至りませんでした。

多頭飼育崩壊

写真は多頭飼育放棄案件の家にて。床や壁は汚物で汚れ、飼い主は土足で生活し、犬たちはシャンプーなどもされておらず、外にも出たことがなく散歩トレーニングが必要でした。
(日本テレビ系『志村どうぶつ園』の相葉くんシャンプー企画で放送されました)

一番左の子は心臓に異常があり、推定3歳でしたが、2~3年しか生きられない見立てのため、大手術をしましたが、完治には至らず。それでも以前よりはよい状態になりました。

一度もシャンプーされたことのない子ばかりで、何度もシャンプーして糞尿の汚れを取ります

飼い主からの相談対応実績

犬の飼育拒否を含めた相談が148件(※件数は案件数であり頭数ではありません)。

相談理由の最も多いものが、「高齢で飼えなくなった」「高齢者が亡くなった」というものが約27%。
これまで多かったのは「吠えグセが抜けない」「破壊行動が止まらない」という問題行動でしたが、高齢者案件が今回初めて同率1位になり、今後も高齢者の飼育継続困難が続く可能性があります。
相談実績2018なお、飼い主さんからの相談の結果、その内の約41%にあたる60件が、こちらからのアドバイスやトレーニングにより飼い主の意識改善、犬の社会性トレーニングを行うことができ、継続飼育に繋がり飼育放棄の抑止ができました

しかし、それ以上の約46%の68件は、アドバイスを受け入れてもらうことが出来ず、結果的に引き取り保護することに。
また、保護の際に去勢等の費用のお願いをしたことで相談を打ち切られたケースも20件ありました。

相談解決2018

2018トピック

引取保護の中では、高齢者の病気や死亡によるものが全体の約3割を占め、「高齢」がひとつのキーワードでした。
その中には、老人ホームやケアマネージャーからの依頼、児童相談所から児童虐待家庭の犬の保護というケースも増えてきており、現状は一時的にですら動物を預かる施設がないため、愛護団体に依存する傾向があり、今後はこういった理由での保護が増えていくと想定されます。

保護案件2018

《現状の問題点1》
「吠え」や「咬む」ケースではアドバイスで約60%が飼育継続できていますが、高齢者は死亡や身寄りがいない等の理由から、約25%しか飼育継続ができず、保護する形になっています。

《現状の問題点2》
相談者が愛護センターに相談したが、「一時預かりはしておらず、殺処分になる」と言われて、DOG DUCAに相談してくる案件が多い。
※介護施設のケアマネージャーや、高齢者ではないが児童相談所からも同様の理由の相談があった(いずれも保護)

以上のことを踏まえ、名古屋市にも「ふるさと納税」を活用した一時保護への対応を求めているが、現在は「猫の殺処分ゼロ」への取り組みを強化をしているため、話の進展はないのが現状です※。

※2019年10月、DOG DUCAは、高齢者の方でも里親になれる新たな取り組み、「シニアドッグ・サポーター」制度を始めました

啓蒙活動

動物医療センターもりやま犬と猫の病院にて、月1回(年12回)のしつけ教室を実施し、112家族146頭に対して、正しい犬との接し方を伝え、トレーニングの実演を無料で行っています。
また、名古屋市内の小中学校および、コミュニティーセンターにて「生命(いのち)」をテーマとした講演活動を6件実施。

アニマルセラピー事業

名古屋市内の老人ホームへの訪問を50回実施。
あわせて、専門学校の学生に対してのアニマルセラピー実技研修も行っております。

殺処分ゼロのその陰で…

2013年、DOG DUCAのある名古屋市では、DOG DUCAなどの動物愛護団体に動物を譲渡する「譲渡ボランティア制度」と愛護団体の尽力、ふるさと納税である「犬猫サポート寄附金」によるセンターでの飼養期間延長により、「犬の殺処分ゼロ」が達成されました。

DOG DUCAは、メディアへの露出が増えたことで、直接飼育放棄する飼い主の来訪が増え、愛護センターからの引き取りが減りました。
特に2016年は、咬傷事故を起こしたドーベルマンの保護を行い、啓蒙のために受けた取材が増えたりトレーニングに時間を費やしたため、保護/譲渡頭数が一時的に下がっています。

それから、愛護センターでの「犬の殺処分ゼロ」は3年連続続いていますが、愛護センターが飼育放棄での引き取りを拒否するケースが増え、それが直接DOG DUCAほか愛護団体に流れることが増え、2016年からは、飼育放棄の引き取り頭数および里親への譲渡数は、DOG DUCA単体でも愛護センターより多くなっており(下表の赤太字部)、「殺処分ゼロ達成」は完全に譲渡ボランティアに依存しているのが現状です。

保護譲渡実績
(名古屋市動物愛護センターの事業概要より作成)

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