今日、
12月24日はソルテの誕生日です。
トリミングしてもらった
相葉雅紀さんと同じ誕生日。

保護犬だった
マルチーズのソルテは
誕生日のわからない子でした。

推定年齢は10歳程度。

ドッグデュッカで保護して、

『天才!志村どうぶつ園』の
相葉くんトリミング企画で
トリミングしてもらい、

「相葉トリミングのその後」
でも里親さんの元で
幸せになった姿が紹介されました。

 
ソルテは、
高齢の飼い主が長期の入院生活となり、
もう一頭のトイプーとふたりで、
狭いサークル内に取り残されました。

親族は犬が苦手で、
フードだけは置いていくものの、

触ることも出来ないからと
ドッグデュッカで保護したのですが、

もう一頭の子は
伸び放題だった毛がノドにまで入って、
肺機能が低下してしまい、すぐ天国に…。

あっという間だったので
お葬式の後に幸(こう)と名づけました。

 
もう一頭の残ったソルテが、
相葉くんにトリミングしてもらったのです。

そういう意味で、
ソルテはとても運の強い子です。

 
ドッグデュッカでは最近、
高齢者が飼えなくなって放置され、
保護される犬が増えており、

「もっと早く来てくれれば」
と言いたくなるほど、
状態のひどい子が多いです。
 
ソルテも、
テレビでも観ていただいた方も
おられるかもしれませんが、

飼い主含め、誰も来ないから
ずっとサークルの中で鳴き続けたのでしょう
声が枯れていました。

目ヤニもひどい状態でした。

体はガリガリで、
爪も伸び放題で丸く伸び、
毛も伸び放題で固まっていました。

そんなソルテでしたが、
愛情深い相葉雅紀さんに
やさしく声かけをしてもらいながら
トリミングとシャンプーをしてもらえました。

テレビでは10分ほどでしたが、
これだけ状態がひどい子を
一人でやるのは2~3時間では足りません。

相葉さんにトリミングしてもらった
もう一頭の保護犬「うた」でも
5時間かかりました。

ソルテは
ずっとサークルに閉じ込められていたため
うたよりもひどい状態で、
さらに時間がかかりました。

それを、
うちのスタッフが保定のヘルプに
入っていますが、
作業は相葉さん一人でやるのです。

 
相葉さんは
朝一の新幹線で名古屋に来て、

このトリミングの後、

トンボ返りで『志村どうぶつ園』の
収録に向かわなければならないのに、
最後までやっていくために時間を延長して
夕方までソルテをトリミングしてくれました。
(その時の裏話は別の投稿「相葉くん保護犬トリミングの裏話」)に

それが、2020年の1月のこと。

 
そこから治療と体調回復に努めたソルテ。

 

4月に、ご縁があって
里親さんの元に行きました。

 
ソルテは推定10歳の高齢犬です。

ドッグデュッカには、
「シニアドッグ・サポーター」という

引き取り手の少ない高齢犬と
里親になれない高齢者とを
マッチングする譲渡プログラムがあるため、
枠組み上、高齢者に譲渡することもできました。
 
しかし、
ソルテを譲渡する予定はありませんでした。

というのも、
飼い主さんが健康が悪く、
心臓疾患があっても
病院にも連れて行ってもらえていなかった上、

劣悪な状態での暮らしが長く続いたため、
健康状態は決してよくありません。

いつどうなるかもわからず
治療費も高額になるため、
誰にでも譲渡できる保護犬ではありません。

 
健康な高齢犬なら、
年齢が10歳を超えていても譲渡できます。

しかしソルテは、
もう一頭が天国に行ってしまうほど
過酷な環境で暮らしていたのです。

ドッグデュッカで
穏やかに暮らしてもらえれば、と思っていたのです。

  
しかし、
そんな時に現れたのが、
ソルテの里親さんになってくれる方でした。

まだ若い方ですが、

自身もガンの闘病経験があり、

「高齢だから、
 病気だからで
 里親に行けないのはおかしい。
 だからこそ救ってあげたい」

と、
何年生きられるかわからない
ソルテを迎え入れてくれました。

 
心あたたかい方の元に行ったソルテ。

不明だった誕生日は、
相葉さんとのご縁から、
ソルテとたっぷり時間と愛情をかけてくれたことから

里親さんが

相葉さんの誕生日、
12月24日に決めました。

つまり、今日です。

 

嵐の相葉さんに
番組でトリミングしてもらったご縁で
今日が誕生日になったソルテ。

しかし、今年の誕生日、
ソルテはこちらにいません。

なぜなら、
昨年、2020年の12月30日に
ソルテは旅だったからです。

2020年の1月に 
ドッグデュッカで保護するまで、
ずっとサークルの中だったソルテ。

10歳の持病持ちの高齢犬でしたが、

2020年の4月26日に
愛知県瀬戸市の自然豊かな場所にある
ドッグランのあるカフェ @pupu.cafe さん
の元に、保護犬アロハと共に行きました。
(アロハはお母さん、ソルテは娘さんの家に)

番組でもやっていましたが、
ソルテは、里親さんの元でトライアル中から
ずっと咳が止まらない
気管支炎になっていました。

しかし、
散歩中は咳が出ず、
毎日自然豊かな環境で
散歩してもらっている内に
咳が出なくなりました。

カフェにあるドッグランで
お客さんと遊んでもらったり
抱っこしてもらったり
オヤツをもらったり

また、
散歩では近所の小学生の後を
ついていったりもしたそうです。

ドッグデュッカで終生飼養になれば、
他の保護犬もいるのでさみしくはありません。

しかし、
他の保護犬のお世話もしながら、
スタッフやボランティアさんが、
ソルテだけに目一杯の愛情をかけることは難しい。

でも、ここならそれができます。

ソルテは、
里親さんの元で
幸せになったのです。

 
8月には、
『志村どうぶつ園』の
相葉くんトリミングその後の企画で、

看板犬として、
幸せに暮らす姿も放送されました。

この放送は
志村どうぶつ園の後番組
『みんなのどうぶつ園』の予告でも
再度使われたそうです。

ソルテの名前の由来は
ポルトガル語の「幸運」。

ソルテはまさに、

ひどい環境から、
「幸運」をつかみとった存在でした。

 
 
しかしその年の10月、
ソルテは血便が続くようになり、

里親さんは
病院に何度も連れて行ってくれました。

ドッグデュッカの指定病院は、
信頼する獣医さんのいる
もりやま犬と猫の病院です。

しかし、ププカフェからは
車で30分以上かかる距離があります。

もっと近くの動物病院もあるはずですが、
それでも里親さんはそこに、何回も何回も
ソルテを連れて行ってくれました。

他の病院も行ったのですが、
唯一、ソルテ自身と向き合ってくれたのが、
もりやま犬と猫の病院の
淺井医院長だったからです。

すべてはソルテのため。

 
しかし11月、
血便の状態がひどくなり
今度は入院に。

貧血になったソルテのために、

動物病院の「輸血犬」に登録している、
ドッグデュッカの看板犬、
エアデール・テリアのソフィアと、
ペットショップで冷凍処分される寸前だった保護犬のレイリーが
輸血しにも行きました。

 

しかし、原因は不明。
開腹するかしないかという事態に。

 
ソルテは、
持病があるため、
全身麻酔のリスクが高いから
去勢手術もしていませんでした。

しかし今回、
開腹手術をする選択を取りました。

リスクはありましたが、
無事手術を終えました。

 
そういう意味で
ソルテは「幸運」でしたが、

結果は残念なことに
盲腸に腫瘍、腺癌がありました。

それが原因で血便が続き、
取りのぞかない限りそれは続くと。

しかし、
ソルテの体では、
腫瘍を取りのぞく手術中に
死んでしまうこともあるかもしれないと。

手術しなくても、
「早ければ3日。1ヶ月は厳しい」と。

 

里親さんは、
ソルテと逢いました。

ソルテは、
グッタリと寝ていたのですが、

フラフラと立ち上がり
里親さんに抱っこしてもらいたく
寄ってきたのです。

 
家族になって半年。

ソルテにとって
里親さんはかけがえのない「家族」なのです。

里親さんにとってももちろん、
ソルテは「家族」。

 
病院の先生と話し合い、
家族の元に帰ることになったソルテ。

ソルテは、
長くないかもしれないことが
わかっていた保護犬です。

できるのは、
「幸せに過ごさせてあげること」

そして必要なのは、
「里親さん家族の愛」

です。

 
ソルテは、
劣悪な環境で
適切な医療も、
十分な食事もなく生きてきました。

一緒に暮らしていた
飼い主は病気で帰ってこず、
同居犬のトイプードルの幸(コウ)も亡くなりました。

 
ソルテは確かに病気で
明日をも知れない生命(いのち)ですが、

「家族がそばにいる幸せ」を

一番わかっているのはきっと、
ソルテ自身です。

 
里親さんは、
ソルテを連れて帰り、
一緒に過ごす時間を増やす選択をし、
 
奇跡的な回復を見せる時もあり、

 

そこから1ヶ月以上、
一緒に大切な時間を過ごすことができました。

そして、
2020年の12月24日、
一年前の今日

相葉さんにちなんでもらった
ソルテの誕生日を、

家族でみんなで
お祝いすることが出来ました。

 
里親さんは一時、

「誕生日を1回もお祝いできないかも…」

とすら思っていたので
喜びはひとしおです。

 
 
しかし、
誕生日から一週間がたとうとしていた
 
12月30日の7時20分、

ソルテは旅立ちました。

相葉さんにトリミングしてもらった
保護犬ソルテ。

ガンと闘病しながら、
相葉さんにちなんでつけられた、
相葉雅紀さんと同じ誕生日、
12月24日を向かえることができ、

一週間後に旅立ったのです。

  
おそらくですが、

ひょっとしたらソルテは

このために頑張っていたのかもしれません。

獣医さんから、
「早くて3日、1ヶ月は厳しい」

と言われながら、

1ヶ月以上、
里親さんたちと暮らすことができました。

 
それは、
ソルテが強く、
「生きたい」と思ったからでしょう。
 
一時は、里親さんが

このまま誕生日のお祝いすらできないのでは…

と思っていた気持ちを汲み、

ソルテは、

自分の誕生日としてもらった、
12月24日まで、

がんばって生きてくれたのだと思います。

勝手な想像かもしれません。

それでも、
たくさんのワンちゃんを見てきて、

彼らが
人間より未来を見えていると
感じることは多々ありました。

 
きっとソルテも、

自分の未来が見えていたのでしょう。

なんとしてでも頑張って、
「家族」を喜ばせようとしたのでしょう。

 
ソルテと里親さんの生活は
たった8ヶ月でした。

ですが、そこには確実に、
強い「家族」の結びつきがありました。

 
はたから見れば
たった8ヶ月かもしれませんが、

それでもソルテは
「幸せ」だったと思います。

僕たちも、本当に、
ソルテをつなぐことができてよかった。

ソルテが自宅に戻り、
いっとき回復した動画を観た時は、
スタッフ全員で泣きました。

ソルテが旅立った時、
みんなで悲しみました。

  
人間からすると、
本当に短い生命(いのち)だったけれど

精一杯生きて、
周りの人を幸せにしてくれたのがソルテです。

ソルテは「幸運」を意味します。

ソルテに出逢えた人は、

みな、
ソルテのおかげで幸せになったのです。

 
 
ソルテ、
生まれてきてくれてありがとう。

 
そして、

 
里親さんも、
ソルテのために
全力を尽くしてくれてありがとうございます。

 
きっと今日もソルテは、
里親さんのそばで
里親さんを見守ってくれていると思います。

里親さんは、

本当にソルテのために尽くしてくれました。

ソルテとの時間のために、
お仕事を休まれたり
病院を何度も行ったり来たり。

 
ソルテは
50日ほど病院に通ったそうです。

入院中も里親さんは、
毎日、往復1時間以上かけてソルテに
逢いに行きました。

治療費も、50万円を超えたと聞きます。

ソルテのように重い持病のある
保護犬はペット保険に入れないので、
もちろんすべて実費です。

 
保護犬を迎え入れること、
とくに持病のある高齢犬を
迎え入れる場合、

短い寿命と
世話にかかる負担と
高額の医療費の負担がのしかかる現実があります。

だから、
ドッグデュッカでは、
高額な医療費がかかる子は、

基本的に譲渡しません。

しかしそれでも、

「この子を幸せにしてあげたい!」

という、
愛情にあふれる方に、

この人と一緒になら、幸せになれる、
と思った方にのみ、

譲渡をしています。

 
しかし、
実際は大変です。

我々は仕事として
保護犬を病院に連れて行ったりできますが、

里親さんは、
自身の生活を犠牲にするのです。

 
それでも、
お金を理由にあきらめずに、
ソルテのために精一杯を尽くしてくれました。

それだけで、
ただただ感謝です。

 
ソルテは、本来

我々が保護して、
我々が最期まで
面倒を見るつもりだったのに

里親さんがソルテに、

『あたたかい家族』と
『幸せな時間』

そして、

『すてきな誕生日』

をプレゼントしてくれただけでなく、

最後の最後まで
精一杯やっていただいたきました。

 
「家族のため」

といえばそれまでかもしれませんし、

里親さんは

「病院に連れて行くのは人間のエゴ」

と悩まれていたようですが、

それでも、
我々には感謝しかありません。
 
ソルテのために、
本当にありがとうございます。
 
 
これだけ愛情深い方ですから、
保護犬をまたお願いすることも考えました。

しかし、
ソルテのことで

これだけの短期間に
精神的・経済的負担も
かけてしまったことを考えると、
気軽に「お願い」とも言えません。

 
そこで里親さんには、
高齢犬を幸せにする取り組み
「シニアドッグ・サポーター」の中で、

「共同親権」の形で
生活の一切を面倒みていただく
「サポーター」になっていただくことにしました。

これは、
フードや医療費は(通えるならトリミングも)
ドッグデュッカが負担し、

サポーターさんは、
保護犬と一緒に生活してもらうものです。

いわゆる
「看取りボランティア」に近いものですが、
「共同親権」なので、
「家族」として生活してもらえます。

ドッグデュッカが養育費担当みたいな感じでしょうか?

 
明日、12/25が締め切りの
クラウドファンディングのネクストゴールは、
その資金源となる「シニアドッグ・サポーター基金」
の設立のためのものです。

人間の都合で不幸になった子たちを、

「生まれてきてよかった!」

と幸せにするために使う費用となります。

  
高齢犬や持病のある保護犬は、
適切な医療(と費用)も必要ですが、
なによりも愛情を必要としています。

そして、

愛情をかけることは、
お金だけじゃできないのです。

だから、
保護犬たちに
惜しみない愛を注げる方に、
「託す」のです。

(もちろん、何かあればデュッカに戻ってきます)

 
今回の件で、
惜しみない愛を注いでくれた里親さんだから

また新たに、
このように、費用負担が少ない方法で
高齢犬をお願いすることにしました。

 
それが、
トイプードルのシェリ。
ソルテと同じく10歳。

 
シェリも過酷な環境にいた子ですが、

この里親さんなら「絶対」大丈夫!

 
ソルテが残してくれた

「幸運」の贈り物は

ずっと続いていくものだから!!

#シニアドッグサポーター
#シニアドッグサポーター基金
 ↑のための
#クラウドファンディング挑戦中
https://readyfor.jp/projects/dog_duca
(明日、12/25土 23:00まで!)