人間の都合で不幸になった
高齢の保護犬を救うためのクラウドファンディングも
本日が最終日となりました。
(締め切りは23時まで)
これまでたくさんの方にご支援いただき、
感謝の気持ちでいっぱいです。
残りわずかですが、
最後まで高齢犬たちのために走りきりたいと思います。
あらためて、
ドッグデュッカの高齢犬を幸せにするプログラム
「シニアドッグ・サポーター」
についてあらためて説明させてください。
ドッグデュッカの
「シニアドッグ・サポーター」制度は、
「高齢者と高齢犬が互いに支え合う」
譲渡プログラムとして2019年に始まりました。
【背景】
近年は当団体で保護する
保護犬の全体の3割が
高齢者が飼えなくなった子です。
その理由は、
犬の寿命が長くなっている事もありますが、
高齢者が「子犬」を飼うことにあります。
今、
色んなところで保護犬の譲渡が行われていますが、
基本的に60歳or65歳以上の高齢者は、
どれだけ飼育経験があろうと
どれだけ愛情深い人だろうと
年齢で断る所がほとんどです。
「万が一」のことがあって
保護犬が戻ってくるのを防ぐためです。
しかしその結果、
高齢者の方は、
「不幸な子を救いたい」という想いを持ちながらも、
泣く泣く保護犬を迎え入れるのをあきらめたり、
「看取り」などボランティアに参加されたりします。
しかし中には、
さみしさに堪えられなくて
ペットショップで
「子犬」を買う方もおられ、
子犬は10年以上生きるため
先に高齢者の方が、
入院や老人ホーム入所、死亡などで、
飼育継続できなくなります。
かたや残された犬の方も、
高齢犬は寿命が短く、
医療費も手間もかかるため、
譲渡の枠組みから外れた存在でした。
保健所や愛護センターでも、
真っ先に殺処分される対象で、
殺処分されない所は逆に、
飼い主が亡くなったという理由でも
引き取りを断るようになって来ました。
それはそれでいいことですが、
今度は逆に、
高齢者の飼っていた高齢犬を、
犬を飼うつもりのない親族が
世話をするようになります。
「親の飼っていた犬だから」
と大事に面倒みて下さる方がほとんどとは思いますが、
ヒドイ扱いを受けている子も少なくありません。
いずれにせよ、
高齢犬を社会的にサポートする仕組みが
日本にはないのです。
【高齢者と高齢犬のベストマッチ】
もともとドッグデュッカでは、
プロドッグトレーナーが
里親希望者と面談し、
保護犬の性格や
里親さんのライフスタイル
と合った保護犬のみを引き合わせる
「マッチング譲渡」
という方法で譲渡してきました。
(そのため、譲渡会はしていません)
このやり方なら、
保護犬が愛情深く接してもらえることが、
あらかじめわかっている人だけに
譲渡することができます。
ですから時には、
飼育経験が豊富で、愛情深い方とわかれば、
高齢者の方に譲渡することもありました。
そもそも、
プロの目線で言わせてもらうと、
むしろ高齢者の方が
高齢犬にマッチすることが多いのです。
というのも、
高齢犬と暮らしてきた子は、
四六時中抱っこしてもらって暮らしてきました。
運動量も少なく、
何かあった時に常に誰かがそばにいられるという、
高齢者のライフスタイルにもマッチします。
また、
高齢者の方も、
『家族』と暮らすことで生活にメリハリができ、
愛犬との散歩で運動にもなり、
公園などで社会との繋がりも持てます。
なにより、
お互い、さみしくないのです。
むしろ、
「人生の最後の仕事」として
目一杯愛情を注ぐ方がほとんどです。
ドッグデュッカは、
今は保護で忙しくてできていませんが、
以前は老人介護施設などに
「アニマルセラピー」の訪問をしたりして、
「犬と触れあうことで高齢者が元気になる姿」
をたくさん見てきました。
だからむしろ、
高齢者に譲渡することに抵抗はないのかもしれません。
【万が一…?】
そうやって、
高齢者に譲渡してきた子たちは、
シニアドッグ・サポーター含め、
出戻りは一頭もありません。
(先に旅立つ子はいますが…)
むしろ、
高齢犬をまかされた高齢者の方が
「この子のために元気でいなきゃ!」
とますます元気になって、
最期まで看取ってくださいます。
また、
高齢犬は持病がある子が多いのですが、
時間にゆとりのある高齢者は
常に一緒にいることが出来ますし、
看取りの経験も豊富なので、
安心してお任せも出来ます。
生活環境が変わることはまずありません。
持ち家の方も多いです。
「万が一戻ってきたら…」
というデメリットより、メリットの方が大きいのです。
【排除される高齢者】
それでもなぜ、
多くの動物愛護センターや愛護団体が
「65歳以上の高齢者への譲渡は不可」
としているのか?
それは、
里親に万が一の時に、
保護犬や保護猫が戻ってくるのを防ぐためです。
ドッグデュッカのような
「マッチング譲渡」の場合は、
里親さんを吟味できますが
不特定多数の方が来る、
譲渡会ではそうもいきません。
だからなおさら、
出戻りの可能性がある
「要素」は排除するようになるのです。
しかしそれが結果的に、
高齢の保護犬を幸せにしたい
と思っている高齢者も
動物愛護の枠組みから
外してしまっているのです。
【シニアドッグ・サポーターの仕組み】
責任感のある高齢者ほど、
「自分は高齢だから飼わない」
と決めている方が多いのです。
ドッグデュッカは、
そういう
「生命の重みを知っている方」
とトレーナーが面談し
「マッチング譲渡」します。
「年齢」で無条件に断ることはありませんが、
健康面や飼育環境、
これまで一緒に暮らしてきたワンちゃんの話を聴き、
生活スタイルに合った子をマッチングします。
ただ、
あくまでも保護犬優先です。
里親希望者さんが
犬種を選んだりはできませんし、
まだ譲渡できる段階でない子ばかりの場合は
お断りすることもあります。
譲渡のスタイルは、
今は大きく2つに分かれています。
「完全譲渡」と、
「共同親権」です。
今では、高齢者以外の方にも入ってもらっています。
「完全譲渡」は、
通常の譲渡と同じく、
里親さんの元に行ったら、完全のそのうちの子です。
それでも、
シニア里親さんの所に行き、
里親さんが万が一の時は
ドッグデュッカに戻れるようにしています。
「共同親権」は、
「預かりボランティア」に近い形です。
生活はサポーターさんの所でして、
医療費や食費、トリミングなどを
こちらが負担します。
(そのため、提携病院に行ける近隣の方しかお願いできません)
その医療費等は、
わんわん保育園やトリミングの売上と、
皆様からいただいたご寄付です。
今回のクラウドファンディングの
ネクストゴールの目的である
「シニアドッグサポーター基金」は
終生飼養の子も含め、
高齢犬、病気の保護犬のため、
共同親権で暮らす子たちが、
健康で幸せに暮らすために必要な基金です。
また、
完全譲渡でも、
高齢犬は
持病があって保険も入れず、
突発で50万、100万とかもあるので
医療費が高額過ぎる場合、
譲渡してすぐの場合も
医療費を一部負担していますが、
保護犬たちが、
最期の時まで幸せに暮らせるよう、
その原資にもしたいと考えています。
【万が一の時は・・・】
シニアドッグ・サポーターで
保護犬をお願いした方は、
いずれにしろ、
ドッグデュッカの連絡先を書いた
「緊急連絡先カード」を渡し、
万が一の時に
病院関係者から連絡を受けられるようにしています。
これは、
飼い主が長期入院して、
犬を飼っていることを誰も知らず、
ひとりで放置されたワンちゃんを
だいぶ経ってから保護するケースが多かったためです。
こうしておけば、
万が一のことがあっても、
すぐに救いに行けますし、
出戻ってきても、
施設の仲間たちと一緒に暮らせます。
だから、
「シニアドッグ・サポーター」は、
近郊の方に限定しています。
【もっと知ってもらいたい!】
この仕組みの欠点は、
地域が限定されるということです。
そして、
活動を支援してくださる方がいて
初めて成立します。
それでもあえて、
「シニアドッグ・サポーター」を制度化したり、
こうやってクラウドファンディングで
大々的に支援を募ったのは、
こういう取り組みを
多くの方に知ってもらいたいからです。
実際、
「シニアドッグ・サポーター」としてから、
新聞やテレビ番組などで
紹介されることもありました。
日本では、
まだまだこういう取り組みは多くはありませんが、
動物愛護の進んだ欧米では、
「老犬が高齢者の生活の質を向上する」
という研究結果もあって、
「シニア・フォー・シニア(Seniors dog for seniors)」という、
高齢者向けの高齢犬譲渡プログラム
がある団体も少なくないと聞きます。
今回のクラウドファンディングを通じて
こういった取り組みが日本でも出来ること、
そして、
日本でもいつか、
これが「標準」になるキッカケになってくれたらと思います。
#クラウドファンディング
#クラウドファンディング挑戦中
https://readyfor.jp/projects/dog_duca
#今日が最終日
#23時が締め切りです